2022年11月5日土曜日

リルネードの振り返りと3rd Anniversary live『Rirune! Rirune! Rirune! ~どんな星になったってキミを見てるよ~』の感想



 リルネード 3rd Anniversary live『Rirune! Rirune! Rirune! ~どんな星になったってキミを見てるよ~』に参加しました。かわいくてキラキラしてて笑っちゃうところもあって、リルネードらしい最高のラストライブでした。コンセプトも曲もメンバーも本当に良くて解散してしまうのがもったいなすぎるグループでしたが、前向きな解散ということで、なんとか心に折り合いをつけてメンバーの今後の活動を応援したいと思います。

 ということでリルネードの振り返りとラストライブの感想まとめ。


馴れ初め

 虹コンを知ってから、リルネードの存在は認識していたのですが、リルネードの曲をちゃんと聞いたのは2022年3月のDSPM LIVE静岡が初めてでした。この日はリルネードの出演がキャンセルになってしまい、虹コンの的場蛭田神田カバーの「王道的なラブソング」が披露されました。いかにも代表曲、ライブのトリ曲という感じで楽しい曲だなあ、というファーストインプレッションだったのですが、今思うとこの時からリルネ曲が心に引っかかっていたんだと思います。(この日はポニテ恋ホワ衣装大和明桜の奇跡100%という爆弾が投下されたのでそれどころではありませんでしたが……。)

 そして虹コン武道館が終わった頃にふとApple Musicのライブラリに追加したのがリルネードの1stフルアルバム「Rirune! Rirune! Rirune!」。ちょうど虹コン武道館の余韻が落ち着きつつあり、他の事に心を向けられるキャパシティが戻ってきた時期に、このアルバムに見事撃ち落とされました。この曲もいいじゃん、あの曲もいいじゃん!というように。で、何が良いのかなと考えた時に、楽曲が全体的に「ポップだけどどこか垢抜けてておしゃれ」っていう雰囲気に統一されているというところが良いのかなと思いました。そこからグループについて調べて、コンセプトが「2020年代のおしゃかわ」であることを知りました。「おしゃかわ」というのはあまり馴染みのない言葉でしたが、なるほど僕の好きな世界観だなあ、と思いました。

 春のやや北関東ツアーの茨城でリルネのライブに初参加し、そこからは足繁く現場に通うようになりました。特に解散が発表されてからは、できる限りリルネのイベントに参加しよう、ということで、ほぼ毎週のように現場に通っていました。

 僕の尊敬するところの鷲崎健さんの言葉で「アイドルは解散に向けた時間の中で、解散の瞬間に向かって一番美しくなる」っていうのがあるんですが(うろ覚え)、現場に通っているうちにどんどんリルネードが愛しく尊くなってきて、なるほどこういう事かと実感できました。長いこと声優オタクをやっていましたが、そういえば卒業とか解散って声優現場ではあまりないので遭遇したことがなかったんですよね。アイドル現場だから得られる感情の一つかもしれません。(いや、そういえば三ツ星カラーズの実質ラストライブの時に同じような感情に出会ってた気もするな……)


栗原舞優

 アルバム「Rirune! Rirune! Rirune!」にたどり着いて無限再生しているうちに惚れてしまったのが、「ぎゅっとして!」の「落ち込みそうな夜だって 可愛いも努力も諦めないのは まだ憧れてるの おとぎばなしのプリンセス」の歌声でした。きゅるんと可愛い声質と、「落ち込みそうな夜だって」から「まだ憧れてるのおとぎばなしのプリンセス」に向けての歌声の変化の美しさに心を持っていかれました。

 「この人は誰だ……?」と思い、YouTubeで「リルネード」と検索して視聴したのが「もう私を好きになってる君へ」のMVです。



 メンバーカラーがピンクでひたすらに可愛くてど真ん中の王道アイドル、栗原舞優との出会いです。

 僕の持論に「可愛くなりたいと思う女の子の感情そのものが美しくて尊いものだ」っていうのがあるのですが、栗原舞優はアイドルとしても女の子としても「可愛いくありたい」という感情がまっすぐに伝わってきて、しかも実際にめちゃくちゃ可愛くて、久々に「ときめき」という感情を抱いた気がしました。

 あと、栗原舞優は歌声が純粋に好きです。声質が好きだし、C5から上の高い音域の歌声がとても良いし、口角が上がったような少しドヤ顔感がある歌声もとても好きです。例えば高音で言うと、「ティーンエイジ」の「ああ、またこっちむいた時はその感じでいいからさ」が好きだし、口角が上がった歌声で言うと「東京プリンセス」の1A「わああ!どこを見ても可愛いが渋滞してスクランブル」がとても好きです。そして「ぎゅっとして!」の1Aは、先に述べたように、「落ち込みそうな〜」の高音の歌声の良さと、「諦めないのは〜」の口角の上がった歌声の繋ぎがとても好きなパートです。

 そして「アイドル・栗原舞優」への期待がぐんと高まったのが、2022年6月の生誕イベントでした。この日のステージは、衣装やセトリから彼女が目指すアイドルのコンセプトがはっきり感じられて、そのコンセプトがかなり刺さりました。「このアイドルのこの先をもっと見てみたいな」と思ったステージでした。セトリもかなり好きで、ソロのぎゅっとして!が聞けたり、カバー曲は知らない曲が多かったけどどれも好きな曲ばかりだったし、栗原さんと楽曲の好みが近いのかな、とも思いました。歌声と、心意気と、楽曲の嗜好と、それぞれのピースがぴたっとはまりました。生誕イベントの余韻がすごくて、この日以降ずっと「栗原舞優のソロ活動が見てみたいなあ」と思っていたので、リルネード解散後にソロ活動が発表されたときは、とても嬉しかったです。


3rd Anniversary live『Rirune! Rirune! Rirune! ~どんな星になったってキミを見てるよ~』の感想と、お気に入りの楽曲たち

 前置きが長すぎましたが、ライブの感想。

 ラストライブということで、セトリが一曲ずつ進んでいくたびに「これも最後なんだなあ」という感情を抱いて、どの曲も噛み締めながら聞いていました。

 ライブ中に泣いた箇所はいくつもありましたが、やっぱり3人が顔を合わせてめちゃくちゃ楽しそうに歌ってる姿に一番ぐっときて泣いちゃいました。リルネードってメンバーの仲が良すぎるところがめちゃめちゃ尊くてこっちまで笑顔になっちゃうし、仲の良さがパフォーマンスにも現れててすごく好きなんですよね。もちろんライブ中だけでなくてMCの3人トークも本当に楽しそうで仲の良さが全開で伝わってきて本当に好きです。栗原さんのMC中に2人がハートを作るくだり、笑いつつも泣いちゃいました。

 それから、栗原さんの「歌もいいし、メンバーも素敵だし、オタクなの!」という発言にそれーーーーーー!となっていました。オタク。


 以下、お気に入りの楽曲とリルネちゃんzeppでの感想とか。

東京プリンセス




 やや北関東ツアー茨城で恋に落ちた曲です。

 E major→E minorの同主調転調が心地良くて、Aメロだけが長調っていうのもなかなか面白いです。リルネードのコンセプトである「おしゃかわ」が全面に押し出された曲だと思います。

 1Aのかわいくてちょっとドヤ顔感もある歌声の栗原パートからがらっと雰囲気が変わって短調となり少し切なさが乗った蔀パートの1Bにつながる部分がすごく好きです。ここの1A、好きな栗原パートトップ5に入るかもしれないです。

 Dメロの桐原さんはいつもいつも表情が素晴らしいな、と思いながら見ていました。この曲に限らず、桐原さんは曲中ですどきっとする表情をすることがあってとても良いですね。

 nobara kaedeが作詞したこの曲ですが、ライブ後のnobaraさんのメッセージが心に刺さって、泣いてしまいました。

 「女の子はみんな誰もがきっと主人公」なんですね。nobaraさんの歌詞は、女の子が女の子らしく輝いていく様子を、かわいくて時にもかっこよくもある歌詞に乗せて描いていて、とても心に刺さります。この曲も、浅野尚志の「おしゃかわ」な楽曲とnobara kaedeのキラキラがあふれる歌詞が相まって、とても心に残る大好きな曲になりました。全体的に浅野nobaraペアのリルネ曲が非常に刺さってます。


今夜、ロマンチック劇場で




 これもかなり好きな楽曲です。踊るピアノが印象的で、この曲を聞いてるとピアノ弾けるようになりたいなあと思います(練習しなさい)。

 「ああ、きっとこの恋をいつまでもずっと忘れない」の部分は、栗原さんのこの音域の歌声が大好きな上に、どんどん展開してワクワク感とそわそわ感が同居したコード進行も相まってかなり好きなパートです。


スプラウト

 リルネちゃんzeppでのこの曲は、ゆらぎというか、不安定さにやられました。静かで難しい曲を完璧に歌いきることは一つの正解ではあるんですが、不完全であるところもストーリーとか人間性が重ねられてまた良さになるんですよね。常々、下手でも生歌のほうが良いと思っているのですが、こういうところが理由の一つかもしれません。その不安定さも含めて生のライブの醍醐味だと思います。


ティーンエイジ

 リルネちゃんzeppで予想外に心に残った曲です。セトリとかMCで泣いたところはいっぱいあったけど、この曲で泣いてしまったのは不意打ちでした。

 おもちゃ箱を思わせるポップな曲調ですが、これがおしゃかわプリキュアの新衣装と絶妙にマッチしていて、しかも真っ白できらきらな照明が逆に少し切なさを演出していて、ラストライブっていう状況も重なってもう涙が止まりませんでした。

 この曲はメンバーがお互いに顔を見合わせる振りが多い気がします。お互いを見ながらパフォーマンスしてるときの顔がほんとに幸せそうで、そういう部分もあって不意打ちで泣かされたのかなとも思います。

 ラストの「ああ、またこっちむいた時はその感じでいいからさ」の部分は、そもそも音源でこの栗原パートが大好きだった上に、歌声から最後のライブを楽しんでるんだなあっていうのがまっすぐに伝わってきて、本当に大好きでした。尊すぎて無理になって椅子に崩れ落ちてしまいました。このパートの栗原さんの歌、本当に好きなんです……。

 的場さんがこの曲の振り付けについて言及していましたが、多くは語ってくれませんでしたね。

 聞きたい、的場さんの解釈が聞きたい……!メンバー+奥村的場根本浅野ヤマモトnobaraあたりでリルネードを語り尽くす100ページぐらいのムック本を出版してほしいです。割と真面目に。


ぎゅっとして!




 リルネードにはまった初期に一番好きだった曲です。僕をリルネ沼に突き落とした張本人かもしれない。生誕ライブでソロの「ぎゅっとして!」を目の前で回収できてからはその好き度合いは多少落ち着きましたが、それでもライブでこの曲のイントロを聞くと一瞬で高まります。

 先に述べた通り、1Aの「落ち込みそうな夜だって可愛いも努力も諦めないのはまだ憧れてるのおとぎばなしのプリンセス」の栗原パートがほんとにほんとに大好きです。どのくらい好きかというと、栗原推しは上手側が定石なのに「ぎゅっとして!」のこの部分を浴びるためだけに下手側に行くか死ぬほど迷ってたくらいには好きです。

 バンドっぽい楽曲で疾走感が気持ちいいのですが、ピアノがふんだんに織り込まれていたり、ティンパニが多用されていたり、おしゃれな編曲になっていて、それらの調和がすごく好きです。この曲に限らず、リルネ楽曲って全体的にピアノとかストリングス、ブラスを多用してるようなイメージがあります。こういう雰囲気の楽曲が好きだし、リルネードのコンセプトにぴったりでとても素晴らしいですね。

 ある時から「今年の冬はいつもより」の歌詞が「今年の夏はいつもより」に変わったのですが、もうリルネードの冬は来ないんだな……と感傷的な気分になりました。(後日の栗原さんの配信で「ぎゅっとして!」が歌われた時に「今年の冬は」に戻っていて、これからもこの曲を歌ってくれるんだなあ、と嬉し泣きしたのはまた別のお話。)

 「落ち込みそうな夜だって可愛いも努力も諦めないのはまだ憧れてるのおとぎばなしのプリンセス」が好きすぎて、歌詞で検索した時に出会ったのがこの記事。

 この記事、大好きすぎて冗談抜きに30回くらい読みました。一言でいうと「オタクやん」なのですが、こんなにリルネードに気持ちを寄せて作られた楽曲が最高じゃないわけがないんですよね。想定してた歌割りと実際の歌割りが同じっていうのも、リルネードへの理解力の高さに脱帽します。特に「落ち込みそうな~」の解釈で無限に頷いてました。本当に大好き。


魔法のドレスコード

 ラストシングルで一番好きな曲です。ポップな曲調だけど切なさもあってきらきらしてて、まさにラストにふさわしい曲だと思います。

 リルネードが刺さった大きなところってやっぱり「女の子がきらきら輝く」っていうコンセプトで、この曲のサビの「女の子のきらめく魔法」というフレーズにそのコンセプトが凝縮されてるような気がします。他の曲で言うと、東京プリンセスの「女の子はみんな誰もがきっと主人公なんだよ」のフレーズあたりも同じような素晴らしさがあります。

 落ちサビの「女の子のきらめく魔法ときには解けてしまいそうになるの 涙で十二時の淡い夢が覚めてくように だけどきっと大丈夫だよ 胸には未来へのドレスコード さあ着替えたら出掛けよう」の部分が、リルネードの解散と旅立ちに重なってしまいます。イントロのマーチング風のスネアとフルートのトリルも、これから新しい道を歩いていく3人を応援しているように感じられて、明るいのにどこか切ない気持ちになります。
 曲の最後で3人が歩み寄って手に取ったものはなんだったのでしょうか。これも的場さんの解釈が聞きたくて仕方がありません。(とか言ってたら、メンバーの独自解釈が「どんぐり!」であることが判明しました。どんぐり。)

 実はこの曲、リルネードの楽曲であると同時に栗原舞優の楽曲であるという独自解釈もしたりしています。「女の子のきらめく魔法」というサビの歌詞から読み取れるように、女の子が自分自身に魔法をかけてどんどん輝いていく様子が描写されているこの曲ですが、これこそが先に述べた「可愛くなりたいと思う女の子の感情そのものが美しくて尊いものだ」っていう思想にぶっ刺さっていて、「アイドル」という形でひたすら可愛い・きらきらを追い求めている栗原舞優という存在にぴったりの曲だと思うんですよね。ラストの「今を最高かわいく輝こうよ」とかまさに栗原舞優そのものだと思います。

 ラストシングルは本当に名曲揃いで、ライブで聞けた回数が片手で数えるほどしかなかったのがとても悔やまれます。



 もっとリルネードを追いかけていたかったなあ、という未練は当然ありますが、振り返ってみると一番きれいな記憶のまま終われたのかな、という気もします。ちょっと未練があるからこその美しい記憶というか、寂しさや悲しさも含めて大切な記憶というか、上手く言語化できないですね。リルネードに出会って、好きになってから解散に向けてどんどん輝きを増していって、最高の集大成となったラストライブでした。

 素晴らしいリルネード楽曲の数々が埋もれていってしまうのが本当にもったいないと思っていたので、栗原さんの「リルネード楽曲を歌い継いでいきたい」という思いを聞いた時は本当に嬉しかったです。これからはリルネードの思い出と一緒に、ソロアイドルとしての栗原舞優を応援していければと思います。

 本当に「楽曲」「人」「コンセプト」が全て刺さった奇跡みたいなグループでした。リルネードを見つてから解散まで、半年弱という短い間でしたが、このグループに出会えてとても幸せでした。本当にありがとうございました。



次はさよステかなあ?